2010年06月14日

はやぶさ帰還を巡って

昨夜は、小惑星探査機・工学実証機Muses-C「はやぶさ」が、小惑星イトカワで採取したサンプルを収めたカプセルを地球に投下し、そして、
自らも大気圏に突入し消滅しました。
世界初のサンプルリターンという業績を初め、さまざまな技術的な功績を残し、そして、幾多のトラブルに巻き込まれながらも、不死鳥のごとくよみがえり、多くの人をひきつけた存在。

当日は、はやぶさの運用を行っている東京都相模原市にある、宇宙科学研究所にて、4時ごろ日本上空を通過するはやぶさを、あいにくの曇りで空が見えないなか、見送りました。
宇宙研には、多くの人が、はやぶさの最後を見届けようと集まっていました。
あいにく、はやぶさの大気圏突入は23時ごろということで、終電の兼ね合いから、さっさと離脱し、自宅にて運用室のネット中継及びニコ生での生放送を見ることにしていました。
しかし、さすがに多くの人が注目しているだけあって、回線がドコも重くて、つながらない。
何時もは、ツイッターで、宇宙関係のことなど、殆どでないクラスタの方々からも「はやぶさ」に関するツイートが流れるなど、いわばお祭り状態でした。
そして、ニコ生公式生放送での、オーストラリア現地中継で、はやぶさが燃え尽きる様子を一瞬だけ見た瞬間、ああ、帰ってきたんだなと、胸がいっぱいになりました。
「はやぶさ」の存在を知ったのは、正直、何時知ったのか覚えていません。日本のロケット開発の父、糸川博士の名がつけられた小惑星に、「はやぶさ」という探査機が向かうというのは、どこかで聞いた記憶はありますが、注目はしていなかったと思います。星の王子様キャンペーンも知りませんでした。自分が「はやぶさ」に注目しはじめたのは、イトカワ着地成功後の2007年だったはずです。(本格的に日本の衛星を追い始めたのは月面探査機「かぐや」からですね)はやぶさに関しては、にわかではありませんが、そんなに深くはないのです。それでも、「はやぶさ」を応援してきたのは間違いありません。


さて、一夜、お祭り騒ぎから明けてみたとき、ものすごく、残念な気持ちでいっぱいになりました。それは、「はやぶさ」が所詮は、お祭りだとしか認識されていなかったことです。理解されていなかったのです。

「はやぶさ」は、決して、「ロマン」のために小惑星に石を取りに行ったわけではないのです。

たかだか、ネット上の日本の総人口からしたら数%の人に夢を与えるためでも、科学者の知的欲求心や探究心を満たすためではないのです。
小惑星のサンプルを調べることは、確かに、われわれの生活に直結するわけではありません。しかし、この小さい積み重ねが、後の世に、人類が大きく羽ばたくために必要なことなのです。
そして、ロケットなり人工衛星といった技術を育てていく事も重要なのです。天気予報で人工衛星ひまわりの映像とは言わなくなったように、人工衛星による恩恵は、「当たり前」になってしまい、認識されにくくなりました。一方で、日本の人工衛星というのは、国際的な競争に、ようやく乗ってきた段階なのです。
科学衛星を打ち上げることで、少しずつ実績と技術を積み、ようやく三菱電機が衛星放送の衛星の国際入札に勝てたのです。
「はやぶさ」を製作したNECも、「はやぶさ」の実績を国内外に宣伝しています。そうすることで、商業衛星への受注につながるのです。
昨年の事業仕分けによるスパコン仕分けで、ノーベル賞受賞者の方々による緊急表明で、繰り返し強調していた「科学技術」「サイエンス・テクノロジー」とは、このことなのです。

欧米では、宇宙開発というのは国家的な事業から、民間によるビジネスに変わりつつあります。日本はいまだ官需、公共事業的な宇宙開発ですが、経済誌の週刊ダイヤモンドでも特集が組まれていましたが(実は買い損ねたので読んでませんorz)、いずれは純民間のビジネスへと変わるのでしょう。

そして、力をつけるためには、継続して続けていかなければならないのです。はやぶさの後継機である、はやぶさ2の予算が危うい状況であり、計画が続かなければ、せっかく手に入れた、はやぶさ運用ノウハウも失われてしまうのです。決して日本の宇宙開発は安泰ではないのです。


どんなことでもいい、宇宙に興味を持ってもらいたい。そいう思いでネット上の同士が活動してきました。しかし、その応援が、感傷的なもの。もしくはヒーロー的なものが多かったことを反省すべきなのでしょうか。「はやぶさ」が世界でも優れたもので誇るべきものなんだと、そして帰ってきて良かった。「オカエリナサイ(ト)」・・・で、終わらせてはいけないのです。
posted by 房総ビューエクスプレスP at 21:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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